櫂伝馬に乗ろう
大崎上島ではふるさと教育の一環として、櫂伝馬の体験乗船を行っています。櫂伝馬のことを知るなら、実際に乗船するのが一番です。近年は島の過疎化のため、カコ(櫂伝馬を漕ぐ人)が不足しています。そのため、櫂伝馬を漕いでみたい!という方を子どもから大人の方まで大いに歓迎しています。体験乗船を通じて、大崎上島の伝統文化に触れてみませんか。
このページでは、櫂伝馬の体験乗船についての手引きをまとめています。
乗船する前に
櫂伝馬には通常は船尾側から乗り込みます。桟橋等で側面から乗り込むことがありますが、大きく揺れて危険なため注意が必要です。
乗り込む際は履き物を脱いで裸足になります。靴下等も脱ぎます。
海水がかかり、濡れた櫂伝馬の上では裸足が一番滑りにくいからです。また、神事に関わる櫂伝馬は神聖なものという意識が古くからあり、畏敬の念もあって裸足で乗り込むこともあるようです。
櫂の漕ぎ方
櫂の構え方
櫂は左右両舷にあります。左舷側は「大櫂(船頭)側」と呼ばれ、櫂の撞木(しゅもく)部分の上側を右手で下側を左手で握ります。こうした時に櫂の書いてある番号が船尾側、船名が船首側を向くように構えます。もう一方の右舷側を「太鼓側」と呼び、構えた時の手が上下逆になります。
櫂の漕ぎ方
船頭の合図により、太鼓のリズムに合わせて櫂を漕ぎます。櫂の動きを合わせるために、自分より前(船尾側)の櫂に合わせて漕ぎます。
漕ぐときのポイント
「櫂で漕ぐ」というよりも櫂のはねの部分(先端の広がった部分)で後方に水を「押す」というのが基本といわれます。
慣れないうちは「櫂さばき」(櫂の操作)がうまくいかず、ほかの漕ぎ手とぶつかってしまうこともあります。
慣れてくると櫂の扱いも上達して漕ぎ手の動作がぴったりと合った時には見ても美しく、櫂伝馬の速力も最大となります。漕いでいても非常に楽に感じることができると思います。
海の上の学び舎
櫂伝馬はひとつの目標に向かって一丸となって取り組むため、非常に大きな信頼関係が生まれ、コミュニティが形成されるといっても過言ではありません。櫂伝馬を漕ぎ、後輩を指導し、世話することにより、様々なことを学び、世代を超えた人間関係を築いてきました。
櫂伝馬は団体競技でありながら、タイム(スピード)を競う珍しい競技です。それぞれの個性と特性をもち、体格も違い、考え方も違う個人が一つの目的のために一体となり、競争で勝利を勝ち取ったときの喜びと達成感は何事にも代えがたい連帯感を与えてくれます。